これは お二人の入場前にゲストにお配りした かすみ草のプチブーケ
挙式のあとは皆様に卓上に飾っていただき お開きの後にギフトとしてお持ちいただきました
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結婚式のお手伝いをする上で 自分の中で すごくこだわっていることは
「結婚式をアーティストの自己満足の作品には絶対にしない」 ということ
新郎新婦が 「結婚式を創り出す」側に いてもらう ということ
けれど実は口で言うほど簡単なことではありません
正直な話としては 経験を積んできたウェディングのプロたちで
がっちり固めて デザインから 材料の調達から 現場のセッティングまで
全てプロに任せます と 丸投げしていただいた方が 何倍も楽 ですし
見栄えも 完成度も きっと素晴らしいものができる と思います
いやいやもっと楽にするなら 一般の結婚式のように 決まった会場で
決まった流れで 挙式、披露宴 を進めて 決まったカタログの中から
ギフトや演出や業者を選び
決まったセットプランにハマっていただけるお客様を探せばいいのでしょうが・・・
けれど 結婚式は 芸術作品を創る場ではなくて
結婚式は 「人」が存在し 生きている現場だからこそ
存在価値のあるものだ と 思うんです・・
多分これは 私が 舞台をやってきたからだと思いますが
同じ場所 同じキャスト 同じスタッフだったとしても
きてくださるお客様によって毎回
空気が変わる お芝居が変わる 出来上がるものが変わる
そういう体験をしてきたことが大きいと思います
新郎新婦はもちろん ご家族 ゲストのみなさま
スタッフも含めて
そこに 生きた人たちがいて 初めて
想像をはるかに超えた空気感が ドラマが 生まれる
どんなに準備しても 想定外のことが必ず起きて 予定通りには行かないけれど
そこにこそ価値があるのが 結婚式
むしろ「完璧すぎない」方が 味があって
お二人が関わったこと お二人が手作りしたこと が伝わって
うまくいってないところがあっても ちょっぴり ずっこけてるところがあっても
それが 人の温もりだったり 心の距離の近さを
ゲストの方に 感じてもらえる って実感があるから
そうして 時々
予定してなかったのに すごい!って奇跡も生まれることもあり!!
そう言う「計算を超えた空間」こそが
結婚式のパワーであり お二人の未来を創るエネルギーになるものだと思うのです・・
ああ 私の 思い込みすぎかなぁ。。。
でもでも
やっぱり 私たちプロは あくまでサポートする立場であって
支配しコントロールする立場ではないって
ましてや 自分の価値観やプライドを 実現する場でもないって
その謙虚さを忘れないことが 大切なんじゃないかなぁ。。。
かといって お二人のいいなりになればいい と言うものでもなく
お二人のイメージや想像を超えたご提案ができなければ もちろん プロとは言えない!
そのせめぎ合いの中で 毎回 自分の中ですごいバトルが繰り広げられます
オリジナルでゼロから創り上げる と言うのは 何もトラブルやイレギュラーがなくても
生易しいものではないですが
長い長いディスカッションと資料のやりとりの末でやっと方向性が決まり
これで行きましょう! と 着々と準備を進めていたはずが
やっぱりやめたい やっぱりこうしたい と路線変更となることもあり
提案するデザイン や メニュー ドリンク スイーツや ギフトのイメージ
気に入らない 何かが違う となって 刻々と時間がなくなっていくときの
全身総毛立つほどの恐怖感は 言葉にし難いものがありますし
自分の能力の限界と睡眠不足との戦いに 負けそうになって
もうこのまま死んでもいいか と 思ってしまったこともあります
それでも やっぱり このこだわりを捨てることが どうしてもできない
お二人の本当の真ん中と向き合うこと
どこにその 本当があるのか 探し続けること
お二人が言葉にならないものを どうしたら形にできるのか 試行錯誤すること
結婚式はプロの作品ではなくて お二人のものだと思うから
当日までの日々は 夢に描くような ハッピーな日々というよりは
結構な修羅場という時も多いのです
一番大変な道を選んでしまったな と 思うし
そこまでやんなくてもいいんじゃない
もっと楽にやる方法を考えた方がいい
ってアドバイスされることもよくあるんだけれど
新郎新婦のお二人に対して
真っ正直に 私の中のど真ん中で 向き合いたい
そこまでするから 何かが 伝わるんじゃないか
お二人に何かをプレゼントできるんじゃないか
そもそも なんのためにこの仕事を命かけてもやろうと思ったかというと
一人でも多くの人に
「生きてるってすごい」
「生まれてきてよかった」
「この人たちに出会えてよかった」
ってことを 言葉じゃなく全身で味わってもらいたいっていう一心で
それをこれから生きていくパワーにしてもらいたいっていう理由からで
だから
私自身が自分に嘘をついて生きていくようなことは絶対にしたくないって 思うし
だからこそ
すごく大変で苦しいけれど
最高に幸せな人生を歩んでいけている のかもしれないって思うから
やっぱりこのこだわりを大切にしたいって思ってしまうのでした・・
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